今日飲んでみたのはアメリカ・カルフォルニア州サンディエゴのブルワリー『Stone Brewing Co.(ストーンブリューイング)』のフラッグシップビール『ストーンIPA』です。
STONEの文字の上にどっしりと構える悪魔のロゴはクラフトビール界では超有名。ストーンブリューイングのビールをタップに繋げているお店であれば大体どこかにロゴのシールやポスターが貼ってあります。
△緑と黒のパッケージ。中央に大きくSTONE IPAの文字と悪魔のロゴ。
なおストーンブリューイングは1996年に設立され、現在執行会長であるグレッグ・クックともう一人の創設者、2人での醸造が始まりました。
現在(2016年)アメリカのクラフトビール醸造所では9番目の売上規模と世界をリードするブルワリーです。
パッケージに書かれている英語の説明の引用ですが、
The IPA that lauched generations of hop fanatics
このIPAは何世代にも渡る熱狂的ホップファンを生み出してきた。
This is the IPA that initiated the reputation of our hops and exposed a budding world of craft beer anthusiast to our unique brewing style.
このIPAは我々のビールそのものが評価されたきっかけであり、世界中のビール愛好家にストーンのユニークな醸造スタイルを知らしめた。
Delivering a multitude of piney aromatics and citrusy, trupical, hop-driven flavours, this beer stands tall as the epitome of the West Coast style IPA.
松やシトラス、トロピカルな香りなど多数のアロマホップが感じられ、まさにウェストコーストスタイルIPAの典型、代表するビールとなっている。
Since 1996, our goal has been to brew bold, big-character craft beers. Along the way, we've earned a reputation for being one of the most creative, artful and passionate breweries on the planet.
創立の1996年から、我々のゴールは力強くキャラクターの立ったクラフトビールを醸造することだ。その過程で我々は地球で最もクリエイティブでアーティスティック、そして情熱的なブルワリーとしての評価を勝ち取っている。
まさにこのIPAがストーンブリューイングのフラッグシップビールで、ブルワリーの価値を高めてきた最高の逸品であることが説明の中で伝わります。
概要
醸造所:Stone Brewing Co.(ストーンブリューイング)
ブランド名:『STONE IPA(ストーンIPA)』
公式URL:http://www.stonebrewing.com/beer/year-round-releases/stone-ipa
特徴①:『特濃ホップのビターなテイスト』×『しっかりめの松/シトラスのアロマ』
特徴②:ボディはとても軽く、ホップのクリーンで濃厚な苦みをじっくり感じる。
特徴③:注ぐとリッチな泡立ち。香りは多層かつ刺激的。
販売価格:630円
内容量:355ml
アルコール分:6.9%
原材料:麦芽・ホップ
色合い:ゴールド
そもそも『IPA(インディアンペールエール)』ってどんなスタイル?
クラフトビールの中でも世界的に人気の高いビアスタイルで、通常のビールよりもずっと苦いため、最も印象に残るタイプ。他醸造所でもたくさんのIPAが作られております。
1700年代後半にイギリスの東に位置する醸造所でビールを生産していたジョージ・ホジソンという方が、当時イギリスの植民地であったインドで生活をしているイギリス人のためにビールを輸出し始めたのがIPAの歴史のはじまりです。
東インド商人がイギリスから何か月もかけてインドにビールを輸出する際、当然ですが長旅でビールの品質が悪くならないよう気を付けなければならないわけですが、IPAは通常よりもホップの量を増やすことで防腐効果を高めたそうです。
ただ、IPAだけが長旅に耐えられたビールであるという方も多いですが決してそういうわけではなく、黒ビールで知られているスタウトやポーターもこういった長距離輸出に耐えられていたそうなので、あくまで当時輸出に耐えられたビールの1種、と考えていただければと思います。
昨今は一般的なペールエールビールよりも『ドライ(辛口)』で『アルコール度数』が高いものがIPAとされています。
見た目
注ぐと泡がかなり立ちます。上記写真は少し泡立て過ぎました、、立てすぎると香りに蓋をしてしまうため、ゆっくり縁にそうように注いだ方が良いかと思います。
見た目はクリーンなゴールド、泡は白くキリっとした印象です。
のど越し
IBU71とのことですが、数値以上にドライな苦みがガツンと、しかも余韻も長めにきます。使っているホップはマグナム、チヌーク、そしてセンテニアルの3種。
マグナムはビタリング(苦味を引き立てる)ことに使われるホップで柑橘系やスパイシーな香りがほのかにします。
チヌークはグレープフルーツや松の香りを強くだせるアロマホップで、高品質な苦みも生み出します。
センテニアルホップはそこまで苦み成分が強い!というわけではないのですが、香りのバランスが良くビタリングに良く使われたりします。
マグナムとセンテニアルホップでホップの苦みを一気に引き立て、チヌークによって多層的な香りに仕上げていると想われます。
モルトボディは軽いため、もったりすることもなく力強い香りと苦みを十分楽しむことができます。
香り
松やシトラスのような芳醇でドライな香りが鼻から抜けます。柑橘系の香りはあまりなく、まさにホップらしい、苦みを引き立てるドライな香りです。高品質な香りは口をグラスに近づけた時にも感じられます。
総評
まさに『Very Dry and Very Hoppy IPA』と言えます。少しフルーティなシトラス香を除けば香りはとってもドライで、そのドライなアロマもホップの苦味の引き立て役になっている感じがします。
3種類のホップを大量に使用し、2週間のドライホッピング(発酵後のビールにホップを再度投入して香りを付ける製法)を経て完成するこのビールはまさに贅沢そのもの。値段がちょっと張るのもうなずけます。
こんな人/時におすすめ
クリーンかつガツンとくるようなホップの苦みをビールに求める方には最高の一品です。
説明の中にウェストコーストIPAの典型とありましたが、ウェストコーストIPAというのはホップの香りや苦みが全面に出ており、かつフィニッシュがドライなIPAを指していることが多いです。
まさその通りの香り高い、ドライなIPAなので是非お試しください。